
ご相談者
名前 | 佐川 武尾さん(仮名) |
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紹介 | 当時58歳 / 男性 |
お住まい | 草津市 |
物件 | 草津市内土地及び建物 |
ご職業 | 運送業 |
残債務 | 事業者専門貸金業者 1,100万円 |
二筆の連担した土地及び建物(所有者同じ)のうち、一方の土地のみが競売にかけられたが任意売却で競売を回避した事例(平成28年2月解決)
経緯と相談内容
佐川さんは二筆の土地の上に建っている一つの住宅にお一人で住んでいました。もともと自営業で高利貸しから事業資金を借りましたが失敗し、返済が滞ったので債権者が二筆の土地のうち、一筆の土地のみを競売にかけました。建物は二筆の土地の上に建っていたため、
物件自体が「完全なもの」ではなかったのです。佐川さんから相談を受けましたが、このような不動産を任意売却で他人に売るのは厳しいと思いましたが、私は何とかしなければいけないと思い、仕事を引き受けました。
ご相談者の希望
1、競売を回避したい
任意売却の流れと結果
まず私が考えたのは任意売却以前に不動産をちゃんとした商品にしないと買主が現れないと思いましたので土地家屋調査士に依頼して建物を一筆の土地の上に存在するよう、二筆の土地を一旦合筆し、その後分筆して競売を申し立てられた土地を完全に建物が存在しない独立した土地にすることでした。その後水道引き込み管の移動など、時間と労力とお金がかかりましたが何とか商品に仕上げることができました。すると近所に住む方があっさりと買ってくれたので競売申し立てを取り下げることができました。
現在
佐川さんはいったん競売を取り下げることができましたが、残債務がまだ少し残っていたために、任意売却の後にもう一方の土地を差押えられました。残酷な現実ですが佐川さんはそれを受け止め、残債務を無くすために必死で働いて現在では返済も終わり、穏やかに暮らしておられるとお聞きしました。
最後に
この案件は今まで経験した中でも大変な仕事の一つでした。物件自体が不完全なために「商品」にならないからです。しかし、何とか考えて投げ出さずに動いていれば解決できると確信を持てた事例でもありました。