
ご相談者
名前 | 中村 仁さん(仮名) |
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紹介 | 当時60歳 / 男性 |
お住まい | 東京都 |
物件 | 中古分譲マンション |
ご職業 | 会社役員 |
残債務 | 住宅金融支援機構 23,700,000円 |
分譲マンション賃借人が所有者兼住宅ローン債務者に代わって家賃として直接住宅ローンを返済していたが賃借人が家賃(住宅ローン)を払えず所有者の知らない間に競売を申し立てられる。入札直前に弊社が買い取り競売を阻止。(令和2年12月解決)
経緯と相談内容
中村さんは当時東京都でお住まいの会社役員の方でした。中村さんは古くからの友人に自分が購入した南草津の分譲マンションにその友人を賃借人として住んで頂き、家賃の代わりに自身の分譲マンション住宅ローンを直接支払うという変則的な約束を長年続けていました。しかしその友人が家賃(住宅ローン)を滞納し、所有者である中村さんはそのことを知らされずにいました。滞納が数カ月続いたので債権者は競売を申し立てました。それすら知らされていなかった中村さんでしたが、入札直前に賃借人である友人から現状を知らされ、賃借人の紹介で弊社に任意売却を依頼されました。
ご相談者の希望
1、競売を回避したい
任意売却の流れと結果
中村さんはもともと会社役員であったため、資力はありました。しかしまさか自分の友人の失態により不名誉な競売になることに対して大変な危機感を抱いておられました。このケースは担保付債権者が住宅金融支援機構のみであったため、複雑な権利関係もなく問題はなさそうでしたが、占有している中村さんの友人のこれからの行き先と入札までの時間が大変少ないことが懸念されました。
中村さんからのご相談が令和2年11月で入札が令和3年1月でしたので、弊社は占有者に引っ越しして頂き、素早い買い取りで競売を阻止するしか方法はございませんでした。幸運にも物件相場と残債務の関係は債務超過の状態ではなかったため、弊社が相談した金融機関も納得し融資がスムーズに受けられたため、年末に決済して競売を取り下げることが出来ました。また、中村さんの友人である占有者の方も行き先のあてがあったため、決済終了後しばらくしてお引越しすることが出来ました。
中村さんも住宅ローン残債務が残らずに解決できました。
現在
中村さんは現在も企業役員としてご活躍されてらっしゃることだと思います。令和2年12月の決済日当日は私に「ぎりぎりのところで競売取り下げが出来て本当に良かった」と安堵しておられた様子が今も思い出されます。
最後に
長い友人関係の信用で、人のために不動産を購入して、しかも支払いは占有者がすると言えど住宅ローンの債務者になってあげる中村さんのようなケースはまれにしかありません。しかしこの特殊なケースのように住宅ローンは最長35年の長期の金融商品であるため、最初は良くても環境は変わる可能性はたくさんあります。将来の展望や不測の事態も見据えて長期の金融商品の契約をすることを改めて考えさせられた案件でした。