ご相談者
名前 | 藤田 浩二さん(仮名) |
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紹介 | 当時46歳 / 男性 |
お住まい | 京都市 |
物件 | 京都市戸建 |
ご職業 | 無職 |
残債務 | 中信ローン保証株式会社 残2,300万円 |
離婚して競売にかけられた家に一人で住む料理人(不動産所有者)の方の家を任意売却して最後の最後に信頼してくれた事例(平成29年12月解決)
経緯と相談内容
弊社の事務所は京都市西京区ですが、同じ西京区内の家が競売にかけられたのでその家に何度も行きましたが反応が無く困っておりました。しかししばらくしてそこに住む所有者から連絡があり、初めて藤田さんとご自宅でお会いしたのが平成29年の秋頃だったと思います。
当初は突然訪問の業者なんてとても信じられないような表情でお話をされてました。藤田さんは離婚して一人でその家に住んでらっしゃるとのことでした。常に何か言いたげな顔でした。本当に信用して大丈夫なのだろうかというお考えがそのまま表情に出ていました。
しかし、何とかですがしぶしぶ弊社に任意売却を任せて頂きました。
ご相談者の希望
1、競売を回避したい
2、引っ越し費用が欲しい
任意売却の流れと結果
販売活動をしていて建物に瑕疵があることが判明しました。バルコニーに傾きがあることです。このような瑕疵があるとなかなか一般の方は買ってくれません。入札間近になり、私は仕方がなく高値で買ってくれる業者に声をかけ、何とか債権者抹消金額を超える価格で買主業者を説得して契約を結び、競売を取り下げることが出来ました。
藤田さんに引っ越し費用をお渡しすることも出来て私の中では義務を果たしたつもりだったのですが、売主である藤田さんからすれば彼は不動産流通の素人なので一体ほんとうにしっかりやってくれたのかどうか、決済が終わっても腑に落ちない表情だったのが私は大変気になりました。
いざ引っ越しとなって引っ越し先に大きなマットレスを持ち込めないということでそのマットレスだけは残念そうに不用品として売却不動産に残されていました。私に処分してくれということでしたが、私は本当はこのマットレスを持って行きたかったのがわかったので、昔務めていた運送屋に頼んでトラックを借りてそのマットレスを積み込み、引っ越し先の狭い専用通路を通った連棟住宅まで持っていきました。ちょうど藤田さんが引っ越し作業中だったので私もそのマットレスを2階に運ぶことを知り、大きすぎて階段では無理なので2階の冊子を外して外からロープで吊って二人で引き上げる作業を提案してマットレスをロープでくくり、藤田さんに手伝ってもらって何とか2階の部屋に設置できました。私はこれで任意売却の全ての行程を終えた気がしました。
現在
藤田さんは料理人なので腕一本で活躍できると思います。彼なら今でも頑張って良いお仕事をされていることと思います。
最後に
マットレスを2階に上げて私が帰ろうとしたときの藤田さんの「もう会えないのか」という言葉とさみしそうな表情が今でも忘れられません。やっと私を信用してくれたのだと思い、私も感動で言葉が詰まりました。人に信用してもらうのは大変です。ましてや飛び込みの不動産業者ならなおさらのことです。