ご相談者
名前 | 中山 孝一さん(仮名) |
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紹介 | 当時36歳 / 男性 |
お住まい | 八幡市 |
物件 | 八幡市戸建 |
ご職業 | 無職 |
残債務 | 近畿大阪信用保証 残2,100万円 |
電気、水道、ガスを止められた家に一人で住んでいた所有者である男性の家が競売にかけられたが任意売却が成立し、その後の男性の生活までもが上向きになった珍しい事例(平成29年6月解決)
経緯と相談内容
平成29年の春は比較的暑かった記憶があります。その時期に京都府八幡市で競売事件となった家があるという情報を得て、営業に行きました。インターホンを鳴らすと中から一人の男性が出てきました。所有者です。なぜか玄関の中が真っ暗だった記憶があります。驚いたのは中山さんがまるでうつ病にでもなったかのような表情と話し方でした。それと同時に玄関から家の様子を見るとなぜか所々に消されたろうそくが立てられていました。
お話を聞くと「電気、ガス、水道は止められた。しばらく何も口にしていない。風呂にも入っていない。私は生きていてよいのだろうか。」という返事が来ました。私は命にかかわると思い、すぐにその場で食費の現金を渡しました。任意売却のお話をするとそうするとおっしゃって弊社が債権者交渉を始めました。
ご相談者の希望
1、競売を回避したい
2、引っ越し費用が欲しい
任意売却の流れと結果
その不動産は元奥様である中山 幸恵さんと共有であることが一つのネックとなっていました。中山 孝一さんから奥様の連絡先を聞いてすぐに幸恵さんを説得しました。そして販売を開始するとほどなく買主が現れて無事に決済ができ、中山 孝一さんの引っ越し先も確保できました。
現在
あの当時中山さんは無職でした。お金もなく私と市役所に行って生活保護申請をしました。わたしが驚いたのは中山 孝一さんは任意売却成立と同時に大変お元気になられて数カ月保護を受けられましたが、もともと前向きで力強い方なのでしょう。自力で職をみつけました。そのような上昇志向の強い方は私もこの仕事をしてはじめてなので大変関心しました。確か仕事はプログラマーだったと思います。彼ほどの人間なら今でも立派に生きておられることと思います。
最後に
繰り返しますが光熱費も払えず、離婚して「生きててよいのか」と自問自答していた方が数カ月の間に大変出世した事例は私は初めてです。改めて人間の強さを見た気がします。また、私もそのように生きて行こうと思いました。